鮎川俊介の「晴行雨読」

晴れたら小さい旅、雨が降ったら静かな読書。風景や本、人との出会いを記録します。

結城紬を織る地機

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 「結城市観光物産センター」においてある地機(じばた)2基のうちの1基。

 これは結城紬を織る地機(いざり織機)で、織機の原点ともいわれるもの。

 というのも、下野国分寺跡南側にある甲塚古墳(6世紀後半に造られた帆立貝形前方後円墳)から出土した形象埴輪群のうち、機織形埴輪(2基)は日本で初めて出土したもので、そのうちの1基は以前から使用されていた原始機(旧式)であり、もう一つの、布を織る女性を表現した形象埴輪の織機は地機(新式)であって、それが現在結城紬を織るのに使用されている地機の原点であると考えられるからです。

 つまりこの地機は、古墳時代(6世紀後半)からほぼ同じ基本的構造を持つ織機ということになるのです。

 真綿の原料である繭玉から糸をつむぐことから始めて、結城紬はすべて手作業で作られているわけですが、それは古墳時代から綿々と継続されている伝統的な作り方であることを知ることができました。